UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD』が今日の様に、1つの「アミューズメント・パーク」の形として完成する以前、『UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD』はまさにこの『STUDIO TOUR』のみが「メイン」のアトラクションでありました。

その頃は実際に現在のような「トラム」にお客さんを乗せ、実際に映画撮影に使用されている「撮影スタジオ」の見学をさせていたと言います。

その後、現在の形に至るまでに、この『STUDIO TOUR』内にもコレ専用の「見世物」が作られ、今日のように発展したそうです。更に最近では「トラム」のそれぞれの車両の天井付近数ヶ所に設置されたモニターに、コース上の様々な場所にまつわる話や作品の映像等が映し出され、映画撮影の裏側を楽しく学ぶ事が出来るようになりました。ちなみに、この映像にかなりの割合で登場する映画監督、代表作に1991年の『バック・ドラフト』(主演カート・ラッセル、ウィリアム・ボールドウィン、スコット・グレン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ドナルド・サザーランド、レベッカ・デモーネイ、ロバート・デ・ニーロ)や1995年製作の『アポロ13』(主演トム・ハンクス、ケビン・ベーコン、ビル・パクストン、ゲイリー・シニーズ、エド・ハリス)があるロン・ハワード。元々が俳優だった事が原因なのかもしれませんが、この人は『UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD』の「LOWER LOT」にある『バック・ドラフト』のアトラクション内に上映される映像にも、カート・ラッセルやスコット・グレンと共に登場する程の「出たがり屋」さんであります。かなりの蛇足ですが、彼は映像に登場するとかならず帽子をかぶっています。その理由はその童顔からは想像出来ない程のハゲっぷりなのであります。

今日、この『STUDIO TOUR』に参加する為には「スタジオ・マップ」上の「UPPER LOT」の右奥から、エスカレーターに乗り、下にある「トラムの発着場」に行かなくてはなりません。この際、下りエスカレーターの手前からは一般に「NORTH HOLLYWOOD」と呼ばれる地域の雄大で美しい景色を望む事が出来ます。よぉ〜く目を凝らすと、遥か彼方の地上には、こちらも有名な『ワーナー・ブラザーズ』の映画会社の「サウンド・ステージ」群を望む事が出来ます。目印は『ワーナー・ブラザーズ』のロゴ。

さて「どこをどう巡るか?」の順番は毎回、このスタジオのどの部分が映画撮影に使用されているのかによって左右される事がありますが、基本的なコースとしては以下に紹介するような感じになってます。また、その日に実際に撮影を行っている作品と撮影場所については、「トラム発着場」へ上り下りするエスカレーターへつながる通路の入り口付近に毎日書かれていますので、ご利用下さい。

EARTHQUAKE

まずご紹介するのが、この『STUDIO TOUR』のコース内でもかなりのミドコロのある1974年のパニック映画『大地震』(監督マーク・ロブソン、主演チャールトン・ヘストン、エバ・ガードナー、ジョージ・ケネディ)をモチーフにした巨大な映画セット。観客を乗せた「トラム」は「地下鉄の駅」をそのまま持って来たようなセット内に進入し、「トラム」が停車するやいなや巨大な地震(マグニチュード8.3!)を感じ、その後目の前で「地下鉄の駅」が様々な形で破壊されて行きます。駅構内の天井が崩れさると同時に、それまでは地上にあったと思われるタンクローリーが横滑りしながら「トラム」の方へと向かって来て火を噴きます。

その後、左前方の方から何も知らない地下鉄が駅構内に滑り込み、タンクローリーと共に落ちてきた道路の破片に激突ッ!脱線をして駅のホームへと物凄いスピードで乗り上げてきます。

「トラム」の右側にあるホーム上では、電気のブレーカーがショートを起こし始め、その後にやって来る不気味な静けさの後、今度は同じホームにある地上へ上がる階段から物凄い量の水が流れて来て、「トラム」の右側面へと襲いかかります。これはかなり怖いモノがありますな…。

さてさて、これで1通りこの『大地震』のセットは終わりなのですが、その後の注目点は先程脱線し、ホームへと乗り上げた地下鉄の車両でございます。「トラム」が前方へ進み始めた後も、この地下鉄に注目していると、なんと地下鉄は自力でホームから下り、自分がやって来た暗いトンネル内へと戻って行くのでありますっ!コレはかなり見物です。どうぞお見逃しなくっ!

この巨大なセットはこのままの形に「ミョ〜な銀色のコスチュームを着込んだエイリアン達がハビコリ、地球を征服し始めたっ!」というやすぅ〜い設定に置き換えられ、1994年製作の人気シリーズ第3弾『ビバリーヒルズ・コップ3』(監督ジョン・ランディス、主演エディ・マーフィ)にも登場します。

JAWS

もはや説明する程もなく有名な1975年製作のスティーブン・スピルバーグ監督作品『ジョーズ』。この時、ユニバーサルはこの映画の公開を同年のサマータイムに設定、公開しました。公開されると同時にそれまでの興行成績を塗り替え、堂々の1位に輝き、この映画以降、ハリウッドの映画会社も続くようにサマータイムに向けて大作を製作するようになりました。この傾向は今でも継がれており、その為に夏に大作映画が公開される事が多いのでございます。

その『ジョーズ』に登場するニューイングランド州にある海辺の町、アミティのセット(実際の映画はここでは撮影されてはおりませんが…。)
を「トラム」は進んで行きます。「トラム」の右側面スレスレにまで迫る池には数隻のボートが浮かび、ダイバーが泳いでいますが、その彼のすぐ近くに不気味な背びれが迫り、次の瞬間、真っ赤な血が水面に浮かびます。
その後、同じ「トラム」の右側に位置するボート用の給油所が海中からの謎の力によって次々と破壊され、ガソリンを注ぐホースが宙を舞い、火が搗けば瞬時にして大爆発が起こる状況にっ!

そんなこんな真っ最中、「トラム」の右側面前方から、巨大なホオジロザメが映画さながらの巨体を現します。

ホオジロザメが「トラム」の先頭車両から、終わりまでを1通り襲った後、「トラム」が再び発進するのですが、この後、↑の『大地震』のセット同様、注目すべきはそのホオジロザメでございます。「トラム」が発進した後も後方を振り返って見て下さい。この『UNIVERSAL STUDIOS』にしかいない、世界で唯一の「後方に向かって泳ぐ事の出来るサメ」を見る事が出来ます。んがっ!ココだけの話ですが、実際にはこの『ジョーズ』よりも、日本は大阪に出来た『UNIVERSAL STUDIOS JAPAN』の『ジョーズ』のアトラクションの方が遥かに良く出来ているそうです…。

ちなみに、既に知っている方も多いと思いますが、この映画『ジョーズ』はその「クライマックス」に至るまで、ほとんど「ジョーズ」そのものを見せる事なく観る者を震え上がらせた映画としても有名なのですが、なんとその理由とは、制作費の半分以上を掛けて製作された撮影用に作られた機械仕掛けの「サメ」(スピルバーグはこのサメに自分の弁護士の名前を付けた。)を海中に入れたトコロ、故障を起こし、ほとんど使えなかった事なのであります。

実際に、この映画に主演した名優リチャード・ドレイファスも「現場では『サメが動きませんっ!』という声を良く聞いたなぁ〜」と当時の事を語っている程、全くダメだったそうです…。

当時26(!)だったスピルバーグはそれでも映画を仕上げなければならず、苦心の末に「どうやったらサメを見せずにこの映画を作れるか?」を考え始め、その結果「サメの『目線』を利用する」、「サメが人間の側に出現した際にはテーマ曲を使う」等の方法を思いついたのだそうです。

逆に1976年に製作された『ジョーズ2』においては、「機械仕掛けのサメ」にもかなりの改良が施されたらしく、『1』よりも長い時間、サメそのものが登場します。こちらも名作なので是非ご覧下さいね。

またこのセットは1989年製作の大人気TVシリーズの一編『新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ(原題: COLUMBO: MURDER, SMOKE AND SHADOWS)』にも登場しています。興味深いのはこの映画の中で犯人である映画監督アレックスを演じたフィッシャー・スティーブンスという俳優さんが、若き日のスピルバーグに瓜二つという点。更に、実はこの有名なTVシリーズ『刑事コロンボ』の記念すべき第1作『構想の死角(原題: COLUMBO: MURDER BY THE BOOK)』(1971年製作)はスティーブン・スピルバーグによって監督されていました。

KING KONG

「トラム」が、この「サウンド・ステージ」に入ってゆくと、まずは左側にニューヨークでよく観るスタイルのアパートが暗闇に姿を現し、その窓からはアパート内に置かれたテレビから流れる「ニュース映像」を観る事が出来ます。画面に映るヘリに乗ったレポーターによると、何やらニューヨークに、あの「キングコング」が現れたようじゃ〜ありませんかっ!…と、突然そのレポーターの乗っていたヘリがアパートの壁面を照らす丸いサーチライトの中に現れる巨大な「影」によって襲われ、トラムの左側面スレスレに墜落し、機体からは火の手が上がります。

そんな光景が「ウソ」だったかのように、冷静に「トラム」はセット内を左にカーブを描きながら進むと、今度はブルックリン橋に差し掛かったようであります。その右側面には大きく口を開け、ブルックリン橋のワイヤーを掴んだ「キングコング」が出現します。

なんとも親切な事に、ここでは1両1両ごとに「キングコング」の目の前で「トラム」が停止してくれる為、かなりスバラシイ写真を撮る事が出来ます。ただし、この時には必ず右に向かって横滑りするのでご注意下さい。

この「キングコング」、言うまでもなく「機械仕掛け」なのですが、これを製作したのはスティーブン・スピルバーグ監督の最高傑作、全世界を涙の渦に巻き込んだ1982年の『E.T.(原題: E.T.: THE EXTRA-TERRESTRIAL)』の「E.T.」を産み出したカルロ・ランバルディの手によるモノ。彼の腕を十二分に知っているスピルバーグは、あの『ジュラシック・パーク』製作の際にも、恐竜製作の相談を彼に持ち込んだ程。

この「キングコング」が初めてスクリーンに登場したのが1933年。そしてその30年後の1963年には東宝映画『キングコング対ゴジラ』(監督本多猪四郎)に出演。1976年には1974年のパニック映画の金字塔『タワーリング・インフェルノ』(主演スティーブ・マックイーン、ポール・ニューマン)等で有名なジョン・ギラーミン監督の手によって復活し、1986年にはその続編『キングコング2(原題: KING KONG LIVES)』
も作られました。(監督ジョン・ギラーミン、主演リンダ・ハミルトン)また、20041月現在、あの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督の手による「リメイク」の企画も動き出しています。

COLLAPSING BRIDGE

この『STUDIO TOUR』のコース順では比較的最初の方に登場するのが、このボロボロの橋。外見からしてかなり危なげなのに、「トラム」はその橋を渡ろうとします。先頭車両から徐々に驚きの悲鳴が後方車両へと伝染し、次々に下へ崩れて行く恐怖感を味わう事が出来るという、地味なワリにはかなり楽しめる橋。↑の『大地震』のセットや『ジョーズ』同様、この橋も渡り切った後にご覧あれ、なんと『ジョーズ』内の世界で唯一の「後方に泳ぐサメ」同様、渡る前に崩れた外側の柱が元の状態に戻って行くというオマケが付いております。お見逃しなくっ!

なお、この橋の後、「トラム」は細い道路を登るようにして進んで行くコースが多いのですが、その際「トラム」の左下に「植物園」のような場所が見受けられます。そこは通称「GREEN DEAPARTMENT」と呼ばれる部門で、例えば大きなセットを組む事が出来、照明等の調節にも便利な「サウンド・ステージ」(『STUDIO TOUR』が始まってスグ、この『UNIVERSAL STUDIOS』の歴代の名作達のポスターが両脇に立ち並ぶ一帯を越えた後に登場する数々の大きな建物がそれらです。)の内部等に「森のセット」を製作したりする際、その映画の設定に合わせた植物を用意するのが、この部署のお仕事。有名なのは『ジュラシック・パーク3』撮影時に製作された「森のセット」。ここには世界中のあらゆる木々が集められています。

また、このコースを通って次の『FLASH FLOOD』(大雨と洪水が起こる屋外のセット)に向かう途中、どうか左右、特に左側にご注目下さい。『ジュラシック・パーク』シリーズ撮影用に特注された数々の特殊車両や、恐竜を閉じ込めていた数々の檻を観る事が出来ます。カメラの用意を忘れずにっ!

FLASH FLOOD

南カリフォルニア州で唯一毎日雨が降り、洪水が起こるのがこの場所。写真に撮って後で観直せば、それこそ本物と見間違う程の出来栄えの雨が人工的に作り出されるメキシコの村をイメージしたセット内にあります。ここでは1991年のコメディの名作『シティ・スリッカーズ』(監督ロン・アンダーウッド、主演ビル・クリスタル、ダニエル・スターン)等が撮影されました。ココは「トラム」の左側、特に3列目がオススメですっ!

ちなみにココで大量に降ったり流れて来たりする水は、ちゃんとした「リサイクル・ウォーター」であります、ご心配なく。

最後に倒れる木は、時々やっぱりちゃんと元どおりに立ち直ったりします。そしてこの木の名前は『ハリウッド』。(分かるかなぁ〜?)

THE RED SEA

1956年製作の超大作映画『十戒(原題: THE TEN COMMANDMENTS)』(監督セシル・B・デミル、主演チャールトン・ヘストン、ユル・ブリナー)に登場する、モーゼがユダヤ人をファラオの創造したルールから助け出そうと真っ二つに割った「紅海」そのものを「トラム」が進んで行きます。

その「紅海」が設置されている大きな池では数々の戦争映画が撮影され、その周りの芝生上は、マンハッタンの中心部にあるこれまた有名な「セントラル・パーク」として数々の映画に使用されました。

「トラム」がこの「紅海」へのルートに入る寸前、ぜひ「トラム」の左側にご注目下さい。そこには『LYON ESTATE』という文字のある上にライオンの像の乗った左右対称の白い壁のような物があります。実はこれ、1985年制作の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に数回登場する、主人公のマーティ・マクフライの実家がある団地への入り口の左右に建っていた物なのです。マーティはこの間をスケボーに乗って駆け抜けて行きます。

また「トラム」がこの「紅海」を超えてすぐの左側にはカリビアン風の古い建物があります。その後スグに現れるフェンスに囲まれた中を覗いて見ると、そこにはアメリカやその他数ヶ国の主要都市の街灯や信号機等が保管されており、撮影する映画の設定に合わせてそれらを映画のセットに配置し、南カリフォルニアに居ながらにして様々な街の模様を作り出す事が出来るようになっているのです。

CLASSIC MOVIE SET

この『STUDIO TOUR』の中でも「最大」と言える「見物」なのがこの「CLASSIC MOVIE SET」でございますっ!そしてこの場所こそ、数々の映画を観ていれば観ている程楽しめる内容となっております。

そもそも、ここは様々な映画の設定にも絶えうるよう、様々な街の中でも主要に近い建物群のデザインのみを集め、まるで1つの街を作り出してしまっているのです。例えば「オールド・ウェスト」、「ニューヨーク・シティ」、そして「ヨーロッパ」等がございます。

特に1つの街の様相を漂わせている「ニューヨーク・シティ」は数え切れない程の映画に使われており、その代表作を上げても1973年、その年度のアカデミー賞を総なめした大傑作『スティング』(監督ジョージ・ロイ・ヒル、主演ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウ)を始めとし、1971年の『ダーティ・ハリー』(監督ドン・シーゲル、主演クリント・イーストウッド)における冒頭の「銀行強盗シーン」や、最近では1996年のシュワちゃん主演のハチャメチャコメディ『ジングル・オール・ザ・ウェイ』や1997年公開の大ヒットコメディ『オースティン・パワーズ(原題: AUSTIN POWERS: INTERNATIONAL MAN OF MYSTERY)』の有名な「オープニング」でも使用されました。また、UK最大のロックバンド『U2』の『EVOLUTION』のプロモーションビデオ等にも、そのままの形で登場します。

この中には1985年制作の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と1989年の『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』の両作品で「ストーリー」上かなり重要な役割をした主人公マーティとドクの住んでいる町「ヒル・バレー」のシンボルとも言える「時計台」の実物大のセットがあります。この「時計台」に近付くにつれ、「トラム」内の天井付近に設置されたモニターから、どのようにこの場所が映画に登場したかを観る事が出来ます。特に『2』における近未来の場面では、ぜひ「時計台」の右側、遥か彼方の特徴のある形をした山にご注目下さい。実際にココ『UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD』で撮影されたという事が証明されるはずです。

実際のトコロ、「CLASSIC MOVIE SET」とは言えども、実はこれは本当に広大な『UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD』の「バックロット」内に点在する巨大なセット群の「総称」であって、上記の「EARTHQUAKE」や「JAWS」、「KING KONG」、「COLLAPSING BRIDGE」、「FLASH FLOOD」や「THE RED SEA」等はこの中、もしくはその外側に「トラム」用のアトラクションとして製作された物です。そしてそれらを順に巡るアトラクションが、この『STUDIO TOUR』と呼ばれているわけです。

その「CLASSIC MOVIE SET」巡りも後半に差し掛かると、更に有名なセットが、あまりにも有名なネオンサインと共に姿を現します。(20041月現在は2001年クリスマスに上映され、その年ナンバー1のヒットとなったジム・キャリー主演の『グリンチ(原題: Dr. Seuss' How The Grinch Stole Christmas)』の撮影用に製作された巨大セットのスグ後に登場します。)1960年に公開され、その後の「ホラー映画」の概念を根元からひっくり返してしまったアルフレッド・ヒッチコック監督の不朽の名作『サイコ』に登場する「BATES MOTEL」とその背後に不気味にそびえる通称「サイコ・ハウス」です。

PSYCHO (1960)

「トラム」が走るコースから観て、1番左にある部屋がこのモーテルの受付。その右隣にある部屋が、あの有名な「シャワー・シーン」の起こる部屋です。その後もシリーズを観続けて行けば、その他の部屋がどのように映画に関わって来るかが分かり、更に楽しむ事が出来ます。

一時期は、モーテルの後方にそびえる「サイコ・ハウス」は2つ建っておりました。1つが現在も残されている1960年のオリジナル版『サイコ』の「サイコ・ハウス」。そしてその左隣に建っていたのが、「完全なリメイク」を目標に製作され、賛否両論真っ二つに分かれた1998年版の『サイコ』(監督ガス・ヴァン・ザント、主演ビンス・ボーン、アン・ヘッシュ、ウィリアム・H・メイシー、ジュリアン・ムーア、ヴィゴ・モーテンセン)の「サイコ・ハウス」です。新・旧両方の「サイコ・ハウス」対決も見物でしたが、やはり「オリジナル版」を観た者にとっては「セット」とは分かっていながらも、その存在感によって再び映画の恐怖が蘇って来たもんです。ちなみに「リメイク版」を監督したガス・ヴァン・サント監督も、全く同じ「アングル」と「編集」によって「シャワー・シーン」を再現したものの、「やはりヒッチコックには勝てない」と公言した程、「セット」だけではなく、やはりヒッチコックの「監督」としての腕前も超一級でした。

その「サイコ・ハウス」の後方にある巨大な「廃墟」のようなセットは、スティーブン・スピルバーグ監督の大ヒット作品の第2弾『ロスト・ワールド: ジュラシック・パーク』、続く2001年製作の『ジュラシック・パーク3』に登場する「サイトB」と呼ばれる恐竜の研究の為に作られたという設定の島にあった「研究所」のセットがあります。どちらの映画においても、主人公達はココで二足歩行の凶暴で、更に知能もかなり高かったと言われるラプターという恐竜達との死闘を繰り広げていました。

この後「トラム」はスタート地点である「発着場」に向かい始めます。が、最後にもう1つの「見せ物」が残っております。数年前までは1997年に当時流行りだった「ディザスター・ムービー」の1本として製作されたロジャー・ドナルドソン監督作品、5代目ジェームズ・ボンドのピアース・ブロスナン、リンダ・ハミルトン主演の『ダンテズ・ピーク』をモチーフにしたトンネルがありました。

現在では『ハムナプトラ/失われた砂漠の都(原題: THE MUMMY)』と、その続編『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド(原題: THE MUMMY RETURNS)』をモチーフにしたデザインに一新され、新たに様々な「仕掛け」も登場します。「トラム」がそのトンネルの中で一度停車すると、周りの壁全体がグルグルと回転を始め、「トラム」に乗っている観客はまるで「トラム」全体が傾いて行くような錯覚を味わえるというアトラクションなのですが、『ダンテズ・ピーク』の際にはこのトンネルの壁面の色が溶岩のような赤黒い色に変化するだけでした。ところが『ハムナプトラ』シリーズ版では、様々なミイラの絵が現れて辺りは突然暗くなり、その後、映画で観客を震え上がらせた人間の皮膚下に入り込んで内側からその人間を食い尽くしてしまった伝説の昆虫が登場する演出等が加わっています。ところで、このトンネルの壁全体が回転を始めると、本当にかなりの勢いで目が回ります。うっかり気持ち悪くなってしまった方は、吐く前に「トラム」内の天井、もしくは床を見る等して対処してくださいまし。

"Universal Studios Theme Parks" Official Site
『OVERLANDERS INC. in UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD』 HOME


SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO