『NEW
YORK-NEW YORK』は「新フォーコーナー」と呼ばれるラスベガスで最もホットな交差点に1997年1月3日、派手な打ち上げ花火とともに華々しくオープンした。
このホテルの出現により、「新フォーコーナー」の4つの「カド地」すべてが大型ホテルで埋まったことになるが(残りの3つは『TROPICANA』、『EXCALIBUR』、『MGM
GRAND』)、たった90年代に入るまでは『TROPICANA』と古ぼけた小さな『MARINA
HOTEL』しかなかったことを考えるとまさに隔世の感だ。
このホテルの名物はなんといっても「自由の女神」だろう。これまで「新フォーコーナー」のシンボル的存在であった『MGM
GRAND』のライオンを見下ろすカタチで突如出現したこの「自由の女神」は、そのシンボルの座をライオンから完全に奪い取ってしまった格好だ。そのためか、ライオンは早くも敗北を認め、1997年5月に取り壊されるハメになってしまった。したがって当時多くの観光ガイドブックの表紙を飾っていたあの有名な『MGM
GRAND』のライオンはもはや存在しない。しかし早くもそのライオンは全身サイズのブロンズ像に蘇り(これまでのライオン像は頭部だけだった)、再び「自由の女神」に戦いを挑むことになった。どうやら「新フォーコーナー」のシンボルの座を賭けたライオンと「自由の女神」の対決は今後も当分続きそうである。
それでもこの『NEW YORK-NEW
YORK』の親会社が『MGM
Mirage』社であることを考えると、自由の女神とライオンは「対決」というよりもむしろ「共存」と言った方がよいのかもしれない。
このホテルは客室数でこそ『MGM
GRAND』に遠く及ばないものの、その分をローラーコースターを始めとするさまざまなアトラクションやユニークな施設が充実しており、内容的には『MGM
GRAND』に決して引けを取らない。
「コンセプト」はもちろん「ニューヨーク」で、エンパイアステートビルを模倣した48階建ての「メイン棟」を最高に、“AT&Tビル”、“クライスラービル”など、客室棟はすべてマンハッタンに実在するビルを模倣した高層ビルで構成されている。そしてカジノエリアは「グランドセントラルステーション」、「国連会議場」、「エリス島」、またショッピング街やレストラン街は「グリニッチビレッジ」、「タイムズスクエア」などをイメージして造られている。さらに交差点前に立つ「自由の女神像」からストリップ沿いの歩道には「ブルックリン橋」が架かっている。
このホテルの中へ入ってまず驚くことは天井の高さだろう。すぐそこが「カジノフロア」になっていること自体は他のホテルと同じだが、その天井の高さは群を抜いている。
「カジノフロア」にあるトイレの男女別の表示は「MEN」、「WOMEN」でもなければ、「LADIES」、「GENTLEMEN」でもない。男性用が
「GUYS」、女性用が「DOLLS」なので間違って入らないようにしたい
(「間違えるワケがない!」と言われそうだが、実際に間違える日本人がいるらしい…。)。
驚くのが「フロントデスク」のカウンターの高さだ。背の低い日本人にとっては首から上がやっと出るといった感じで
(少々大げさか)、チェックインの際、少々苦労する(チェックアウトは自動チェックアウトを使えば問題ない)…。最近リモデルして超低くなった『LUXOR』のレセプションカウンターと比べると40cm以上高いのではないか。
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さてこのホテルの話題はなんといってもローラーコースター『MANHATTAN
EXPRESS ROLLER COASTER』だろう。設計は東京の浅草の『花やしき』でおなじみの「トーゴ社」が行ったという。
実は今回の『MANHATTAN
EXPRESS』の設計に関しては、振動や騒音問題に対する日本の繊細な技術が必要不可欠だったという。
理由は、コースターの運行により、カジノ内に激しい振動が伝わるとルーレットやクラップスなどのゲーム結果に影響が出てしまいかねないからだとか。また、ホテル棟の窓をかすめるように走るため、宿泊者に対する騒音問題などにも十分配慮する必要があったらしい。そのへんの繊細な技術はやはりなんといっても日本のお家芸ということのようで、「トーゴ社」に白羽の矢が立ったようだ。
ちなみにその乗り場は正面玄関を入って一番奥のゲームセンター側の2階にある。どうせ乗るなら夜景がきれいな夜間がおすすめだ。料金は$10、運行時間は曜日にもよるが、通常10:00PMぐらいまでやっている。なお強風の場合はすぐに運転中止となる。
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